地面に落ちた葉が、赤に、黄色に、橙に色づいています。
この季節、冷たい木枯らしに、思わず顔を伏せてしまうこともありますが、
その時に、はっとするほど美しい一枚を見つけることもあります。
目次
寄稿文「“木のおもちゃ大国”を目指す!」
– 多田千尋(NPO法人芸術と遊び創造協会 理事長・東京おもちゃ美術館 館長)
白馬村プロジェクトの進捗ご報告
– 花井裕一郎
活動報告
図書館総合展でフォーラム開催!
会員総会のご報告
編集部より
奥付
寄稿文
「“木のおもちゃ大国”を目指す!」
多田千尋(NPO法人芸術と遊び創造協会 理事長・東京おもちゃ美術館 館長)
日本の木の自給率は30%を超えたが、木のおもちゃの自給率は3%を切る。
日本が砂漠地帯であればいざ知らず、
現状は、世界がうらやむ世界第2位の森林の宝庫だ。
日本人が不器用であれば諦めも付くが、世界屈指の木工技術を持つ国なのはいうまでもない。
こうした現状に風穴を開けるために、国が進めている「木育」と連動し、おもちゃのささやかな“革命”を起こそうと思っている。
全国の約1700の市町村に訴え、「ウッドスタート」宣言をしてもらうよう迫っている。
誕生祝品は地域材の木のおもちゃにしてもらうことや、学校の校舎や椅子、机もできる限り地域材を活用する。
さらには、ラストの「木育」は地域材の“棺桶”で人生最期を迎える「ウッドエンド」
もまじめに論議している。
こうした「生涯木育」に、ようやく50に迫る市町村が調印をしてくれた。
新宿区は2014年から友好都市の長野県伊那市の力を借り、3,000人の赤ちゃんに木のおもちゃを寄贈している。
小田原市(神奈川県)や秩父市(埼玉県)も誕生祝品に、地域材の木のおもちゃの寄贈を実施してくれている。
国頭村(沖縄県)や長門市(山口県)、由利本荘市(秋田県)は誕生祝い品に加え、
木育推進の役目を果たす「姉妹おもちゃ美術館」を誕生させた。
東京オリンピックの開催までには8館になる予定で、日本の木のおもちゃの普及啓蒙に努める。
『KItoTEto』という「木と手」をつなぐおもちゃのブランドを立ち上げた。地域材でおもちゃを作る約束をした作家たちの参画によるもので、
現在6作家、13アイテムまで作品が増えた。
このような取り組みは必ずや化学反応を引き起こし、日本をヨーロッパ並みの“木のおもちゃ大国”にしていくことを目指す。
世界が羨む森林資源を活かし、日本の土壌や空気で育った樹木で生まれるおもちゃが、
もっと子どもたちの周りにあってもよいと思っている。
木のおもちゃの自給率3%を何とか30%にするまで、この歩みを止めない。
関連リンク
白馬村プロジェクトの進捗ご報告
11月13日、白馬村で3回目のワークショップが開催されました。
SDGsの切り口からはじまり、住民への聞き取りを経て、
今回、これからの施設に欲しい機能を発見するというものでした。
ワークショップは今回で終わりですが、
メンバーからは、このメンバーでまた集まり、語り、
何かを創造したいという願いが語られました!
基本構想策定に向けて、まだまだ進みます。
引き続き、メールマガジンでもご報告してまいります。
花井裕一郎(一般社団法人日本カルチャーデザイン研究所 理事長)
図書館総合展でフォーラム開催!
去る11月1日、『第20回 図書館総合展』にて、
「図書館政策フォーラム-図書館建設のための財源調達法」を開催いたしました。
公的交付金を提供する文部科学省、国土交通省のご担当者をお招きして、
交付金の基本的な考え方を伺いました。
また、全国の図書館の中から、公的な交付金を受けて運営する先進的な図書館を、
自治体の首長、図書館の館長をお招きしてご紹介いただきました。
みなさまのお話しはとても熱く、勇気を奮い立たせられるものでした。
価値あるお話がぎゅっと詰まった90分でしたが、
社団の私たち自身も、まだまだお話を伺いたいところでした。
また、予想を超えるお申し込みをいただき、お断りせざるを得なかった方々も多く、
大変申し訳なく感じております。
今後も、みなさまに価値ある情報をお届けできるよう、社団一同取り組んでまいります。
引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
2018年11月5日
フォーラム「図書館政策フォーラム-図書館建設のための財源調達法」(『第20回 図書館総合展』フォーラム)
会員総会のご報告
11月1日、横浜ランドマークタワー25F カンファレンスルームCにて
第1回 会員総会を開催いたしました。
決算報告、来年度予算案、監査報告が、全会一致で承認されました。
その後、糸賀雅児 慶應義塾大学名誉教授にご登壇いただき、
「なぜ読書が大事なのか?」というテーマにて、レクチャーをしていただきました。
ご出席くださった会員のみなさま、ありがとうございました。
活動報告
2018年11月5日
第1回 会員総会を開催いたしました
2018年11月19日
白馬村図書館および複合施設に関するワークショップ(第3回)が開催されました。
2018年11月14日
花井理事長が、高知県須崎市で講演会を行いました
その他の活動報告はこちらをご覧ください
編集部より
我が家には、3歳と1歳になる2人の子どもがいます。
その子どもたちは、私と、私の父が遊んだ積み木を、今も現役で使っています。
親子3代、60年も使われた積み木は、角が丸くなり、くすんだ色で光っています。
木は、汚れやすく、燃えやすく、変色しやすいですが
それゆえに、年月や使い手の扱いをその身にやどします。
相手との関わりの中で、おもちゃ自身が変化していく様子…まるで、生きているようです。
赤ちゃんに木のおもちゃを贈るのは、
物言わぬ、辛抱強い、一生の友達を贈るようなものかもしれません。
(しかもこの友達、60年経とうが元気いっぱい、子どもと遊んでくれます。)
社団編集部では、機関誌『Cul De La』第2号の発行準備が始まりました。
今後は、その様子もお伝えしていきたいと思います。
次号もどうぞ、お楽しみに。
編集部 高城 光
奥付
Cul De La 通信
2018年11月25日発行 通巻第7号
発行 一般社団法人日本カルチャーデザイン研究所